【第1回】「大きい人」を取り巻く市場のリアル
ーサイズ課題は“特殊”ではなく“統計的必然”へー
近年、国内アパレル市場において「大きい人(=高身長・広肩幅・脚長体型など)」を対象としたカテゴリーは、ニッチから明確な需要領域へ移行しつつある。
従来、この領域ではサカゼン、フォーエルといった“機能的に対応する”大型サイズ専門店が主軸となってきた。しかし2023年以降、ECを中心に「大きい=ラージではなくシルエット設計」という視点が台頭している。
■ 需要の背景:平均値の変化
統計的にも、日本人の体格分布は確実に変化している。
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指標 |
1990年代 | 2020年代 |
| 男性平均身長 | 約168cm | 約171cm前後 |
| 180cm以上男性割合 | 約4〜6% | 約8〜10%規模へ増加傾向 |
| 肩幅平均 | 旧規格に比べ +1.5〜2.8cm拡大 |
この分布が示すものは、単なる「サイズが増えた」ではなく
“既存JIS規格が想定していない身体比率が増加している” という構造的変化である。
■ 市場課題:サイズではなく比率
大柄体型向け市場は、長らく「XL〜6L」の数値幅で調整されてきた。
しかし実際は、以下のような「比率差」の調整こそが課題である。
身長190cmに対し、袖丈・股下・首周りが比例拡張しない
肩幅のみ広い/腕が長いなど“非ラージ型大柄”が微増
標準体型設計のグレーディング拡張(単純拡大)では破綻
ここに、マトウェルが参入した背景が存在する。
■ 従来主流との役割の違い
サカゼン、フォーエルは「大きいサイズ衣料の供給基盤」を長期にわたり担ってきた。
一方、2024年以降の新興プレイヤーは、
体格比例設計
ルックの最適化(“着られる”から“似合う”へ)
エイジレスなデザイン化
といった、機能×造形の領域に焦点が移行している。
つまり市場は今、
「選択肢の確保」から「フィット精度」へ目的軸が変化している。
■ マトウェルの立脚点
mT.o.wale(マトウェル)は、高身長・広肩幅・脚長体型に対し初期段階から設計比率を分岐させている点に特徴がある。
単なるサイズ拡大ではなく、パターン段階でのバランス調整により、体型特有の歪み(身頃の浮き、袖余り、股布要求など)を抑制している。
“数値の大きさではなく、体格の前提を変える”
これが、既存大型サイズ市場との差別化軸である。
